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10代の趣味が40過ぎて仕事に役立つ。

30年以上前の大量のカセットテープが捨てられない。たぶん800本くらいあると思うが、その中でもFMエアチェックで60分テープにコツコツと録りためた、アイドル歌謡曲のシングルばかりの158本。これらは特に思い入れが深く、なんとかデジタル化して残したいと考えていた。

カセットデッキのポーズボタンに指をかけ、お目当ての楽曲がかかるのをひたすら待つ。今日は浦和、明日は横浜と、屋根のアンテナを放送局の方角に向ける。明星や平凡の歌本で、新曲の発売をチェックする。少ないお小遣いから無理して高性能のカセットテープ(TDKのSAとか、マクセルのUD-XLとか)を買う。

10代後半から20代の終わりまで、どれほどの時間をこの地道な作業に費やしたことだろう。腱鞘炎になったり、屋根から落ちそうになったのは1度や2度でなかった。(屋根から落ちたことはないが、アンテナが隣の家のトタン屋根を突き破ったことがあった)

ただ、ぼくの場合はラッキーなことに趣味では終わらなかった。のちにレコード会社のディレクターになり、独立してからもアイドルのベスト盤やCD-BOXをいっぱい作らせてもらっているが、この当時の音楽の知識で商売が成り立っているのは間違いない。まさか10代の頃の趣味が40過ぎてから、これほど直接的に仕事の役に立つとは思わなかった。

これらはすでにCD化されて所有している音源も多いが、とにかくすべてをリスト化して、すぐに探し出せるようにしておきたかった。音質に関しては元がカセットテープなので、あまり追求しても仕方がないだろう。しかし70年代後半から80年代終わりまでの歌謡曲が、個人レベルですぐに取り出せるというのは素晴らしいことだ。年配の方なら異論がないと思うが、この時期の歌謡曲、特に女性アイドルは本当に面白かった。
 

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