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録音レベルを合わせる。

本来なら1曲ずつレベル調整をすればベストだが、さすがにそんなことはできないので、ある程度ざっくり録って、失敗したら1本まるごとやり直そうと考えた。元々、あちこちの放送局からの寄せ集め音源だからレベルもバラバラだし、すでにカセットに記録されてダイナミックレンジも限定されているので、そこそこレベルを上げても歪まないだろう。

結果的に歪んでいる曲を確認するとオリジナルのテープでも歪んでいて、これはどうしようもないわけで、あきらめるしかない。ちなみにオリジナルの歪みの多くは当時のぼくの失敗というより、放送された音源自体が歪んでいた可能性が高い。当時のEPレコードはラジオや有線のオンエアで他の曲に負けないように、歪むのを覚悟で音圧レベルを上げていたという。

EPは45回転で、33回転のLPより音がいいはずなのに、実際は逆のものが多くずっと不思議に思っていた。この話を聞いたときは大人の事情に愕然としたが、優秀なカッティングエンジニアだと、歪むことなく音圧レベルも稼いだそうだ。

さて、録音を開始する前に、早送りと巻き戻しをしてテープに風を通した。30年以上も前のテープなのに思ったより状態が良く、結果的に再生できなかったものは1本もなかった。1本だけテープが切れていたのがあったが、頭のリーダー部分だったので、メガネ用のねじ回しで分解したら上手いこと修理することができた。


録音フォーマットはCDと同じ16bit/44.1kHzに設定。雑誌などにはなるべく高いサンプリングビットとレートで録れと書いてあるが、カセットの自炊デジタル化でそんなに欲張ってもしかたないだろう。ハードディスクの容量食ってたまらない。その代わり、まる録りのファイルはMP3ではなく、非圧縮のAIFF(WindowsのWAVと同じ)ですべて残すことにする。これだって1本分が約650MB、全部で100GBにもなる計算だ。

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